医療機器は高齢化を背景に需要が構造的に底堅く、為替が円安に振れると海外売上比率の高い両社の業績を押し上げる「内需に見えて実は外需」セクター。テルモはTISカンパニー(心臓血管/カテーテル)が牽引し、血液・細胞テクノロジー(輸血バッグ・自動輸血システム)と合わせ収益の柱が分散しているのが強み。オリンパスは消化器内視鏡で世界シェア約7割を握る圧倒的な寡占企業だが、2024〜2025年にかけて十二指腸内視鏡の洗浄・感染リスクを巡る米FDAの警告レターや品質問題、サイバーセキュリティ対応で守りに追われ、稼ぐ力に対して株価がディスカウントされる局面が続いた。
テルモはTAVI(経カテーテル大動脈弁)や末梢血管デバイスなど低侵襲治療の世界的拡大と円安追い風で、安定成長と高い海外比率(7割超)を武器に増益基調が続く見込み。オリンパスは内視鏡という「装置を入れたら消耗品・処置具が継続課金される」リカーリング型ビジネスの強さは健在で、AI内視鏡(病変検出支援)と消化器領域への経営資源集中(顕微鏡など非中核は売却済み)が中期の再評価ドライバー。一方リスクは、米国の品質・規制対応コストと薬機/FDA規制の厳格化、円高反転による為替メリット剥落、そして両社とも依存度の高い米国市場での価格圧力と関税リスク。